2025 秋冬*制作日誌 25.10〜26.5(特別編・創刊号)


最初は
メルカリで999円で出品しようと思って
説明文まで作っていました。

白い部分は
暗所で保管していたのに
年月で少しオレンジ色に変わっていて
「これはもう経年劣化かな」
と思っていました。

けれど
よく考えたら
いま使っているキーカバーは
もう10年近く使っていたのかもしれません。

その前に使っていたものも
思い出しました。

玩具メーカー時代の先輩にもらった
布製のキティちゃんのキーカバーでした。

それもまた
ボロボロになるまで使いました。

大切に使っていた、というより
あまり深く考えないまま
気がついたら
長い時間が経っていました。

髪を大切に伸ばしていたというより
気がついたら
長く伸びていた、みたいに。

鍵につける小さなものは
思っている以上に
毎日の暮らしの中に
静かに残っていくものなのかもしれません。

でも
いまのキーカバーは
もうかなり役目を終えた姿になっていました。

だから今日は
その古いキーカバーを処分して
ブルドッグのキーリングを
新しい鍵のアクセサリーにしてみることにしました。

そのとき
古いキーカバーについていた
小さな二重リングと
短い金具を外して
新しいキーリングに足してみました。

そうしたら
とてもいい感じになりました。

新しい子なのに
少しだけ
前の子の記憶も受け継いでいるようで
そのカスタムが
とても気に入りました。

そういえば
このブルドッグのキーリングも
キャラクターメーカー時代に
業者さんから
「こういうものができますよ」
という参考として
いただいたものだった気がします。

長い年月を経て
今日
自分の鍵につくことになりました。

仕事の中で出会ったものが
暮らしの中の相棒になる。

それは
少し不思議で
とても嬉しいことでした。

経年で色が変わったところも
自分がこの子を手に入れた日からの
時間を思うと
欠点ではなく
味のように見えてきました。

メルカリを見ても
同じピンクのフレンチブルドッグは
見つかりませんでした。

もしかしたら
なかなかレアな子なのかもしれません。

でも
売れば999円ではなく
もっと小さな金額だったかもしれません。

それなのに
自分にとっては
1万円でも買えないものになりました。

当時の思い出があって
今の暮らしにも合っていて
これまでで一番かわいい
キーアクセサリーになりました。

家にあったものなのに
まるで
自分にプレゼントをしたみたいでした。

ものの価値は
値段だけでは決まらないのだなと
あらためて思いました。

少し工夫して
もう一度見つめなおすと
古いものは
ちゃんと
今の自分の宝物になることがある。

そして
役目を終えたものも
小さな金具ひとつを通して
次のものへ
記憶を渡していけることがある。

この数日は、
生活を整えながら、
植物と、AIと、
そして自分自身と向き合っていました。

*

前回のニュースレターから、
5日も経っていたことに気づいて、
びっくりしました。

もしかしたら今、
毎日同じ作業を繰り返して、
脳が少し飽きているのかもしれません。

夜になると、
その日のエネルギーを
全部使い切ったみたいに眠ります。

毎日、

「明日こそ庭に戻りたい」

と思いながら、
生活を整えています。

でもきっと、
この整えている時間も、
庭につながっている。

そう思いながら、
今日も休みます。

🐢

🐢(量子の庭|制作日誌 #114

きょうは、ビッグサイトへ行ってきました。
正直に言うと、かなり疲れました。

お昼前に到着して、
お昼ごはんを食べながら会場マップを眺めて、
気になるブースをいくつかチェックして。

セミナーは2つ。
「グローバルWell-being共創社会の実現」と、
「AI×ウェルビーイング 〜スタートアップが語る社会課題解決へのアプローチ」。

すごい機械や、すごいテクノロジーを横目に見ながら、
気づけば、ずっと人の話を聞いていました。

途中で少し疲れを感じて、
「もう帰ろうかな」と思った瞬間もあったけれど、
結局、最後の音楽が流れる17時まで、会場にいました。

セミナー自体もとてもよかったのですが、
それ以上に心に残ったのは、ブースに立っていた方々の姿でした。

それぞれが、自分の取り組みを大切に語っていて。
10人ほどの方とお話しする中で、
日本文化への思いや、ものづくりへの誠実さに、何度も触れました。

精神的な支えになるもの。
データを通して、自分や組織の状態に気づく仕組み。
どれも派手ではないけれど、静かに大切なものばかりでした。

帰り際に、チーフアンバサダーの前野隆司さんの姿を見かけて。
声はかけなかったけれど、
「今日ここに来てよかったな」
「お会いできただけで、なんだかうれしいな」
そんな気持ちになりました。

人って、ただそこにいるだけで、
まわりを少し元気にすることがあるんですね。
それが、いわゆる“オーラ”というものなのかもしれません。

たくさんの技術を見た一日だったけれど、
いちばん心に残ったのは、やっぱり「人」でした。

今日のことは、明日あらためて
ウェルビーイング応援サイトのほうにまとめようと思います。
……とはいえ、気づけば予定していた半分くらいしか回れていなくて。

もし余力があれば、最終日にもう一度だけ、
そっとのぞきに行くかもしれません。
行けなかったら、それはそれで。
今日は、ちゃんと動いた一日だったということで。

🌱 ウエルのひとこと

たくさん見なくてもいいんだよ。
心に残ったものが、もう答えだから。

(量子の庭|制作日誌 #87






10月のなかごろ、研究をまとめて発表したいと思って、
この「量子の庭」を作りはじめました。

そのころ、若くして亡くなった画家さんの絵を見て、
アーティストさんと話をして、
たくさん感じることがありました。

そして、ふとジョブズさんのスピーチを思い出しました。